外国株式に強いマネックス証券は、ネット証券のなかでも歴史の古い企業です。
他社にはない特徴を備えており、特に投資信託では「マネックス証券でしか投資できないファンドがある」「積立買付で実質すべてノーロード」という2つのメリットがあります。
株式取引の手数料はやや割高ですが、ここでもマネックス独特の優遇条件がありますよ。
株式取引や投資信託を中心に、マネックス証券の取扱い商品・評判・手数料等を徹底解説します。
マネックス証券の特徴
マネックス証券は1999年、ソニー出資で創業した会社です。店舗を持たずネット上で取引できるオンライン証券のひとつで、2010年には創業63年の老舗・オリックス証券を完全子会社化しました。
投資でどんどんたまるポイント制や、兼業デイトレーダーに嬉しいリバース注文(反対売買予約ができる注文方法)が出来る点など、オンライン証券らしい特徴を豊富に備えています。
マネックス証券の取扱い商品 | |
---|---|
商品の種類 | 取扱い銘柄数・本数 |
国内株式 (現物/制度信用取引/一般信用取引/IPO/単元未満株式の売買両方) |
東証1・2部・マザーズ・JASDAQ 名証・福証・札証(全銘柄) ETF・ベンチャーファンド・不動産REIT・ETN |
外国株式 | 米国株(3,083銘柄) 中国株(香港市場のみ/2,000銘柄以上) 海外ETF |
投資信託 | 1,176本 (うちノーロード760本) |
債券 | 円建て/米ドル建て/豪ドル建ての公社債の随時取扱いあり |
FX | 16ペア(うち対円取引13ペア) レバレッジ最大25倍/最低注文数1万通貨/売買手数料無料 |
その他商品 | 日経225先物・オプション くりっく株365(CFD取引) 金・銀・プラチナ ロボアド(アドバイス型&投資一任型の2種類) iDeCo(個人型確定拠出年金)・各種保険 |
マネックス証券の目玉は「株式取引」です。
国内株式市場はほぼすべて網羅し、米国株は主要オンライン証券のなかではトップクラスの銘柄数です。2018年には円貨決済(外貨に交換することなく日本円で直接決済する方法)に対応し、株に不慣れな初心者でもスピーディに取引しやすくなりました。
金やプラチナといった資源も扱っており、1,000円から投資できるのも嬉しい点です。さまざまな金融商品をちょっとずつ楽しみたい投資家に向きます。
取扱い投資信託数
マネックス証券の投資信託本数(1,176本)はオンライン証券業界では少なめですが、その過半数がノーロードファンド(購入時手数料無料)です。初期投資をムダにせず、手持ちの資金を全額運用できるファンドが充実しています。
投資信託におすすめの証券会社5社を紹介!証券会社の選び方も知っておこう
マネックスでしか買えない投資信託がある
マネックスの投資信託には、他証券会社では扱っていない独占ファンドがあります。
2007年に設定された「マネックス資産設計ファンド<育成型>」は、バランス型ファンドとしては最古参にあたります。リーマンショック後は低迷したものの、2011年以降は順調に純資産額を伸ばし続けています。
アクティブ型の「マネックス・日本成長株ファンド(愛称:ザ・ファンド@マネックス)」なら、3年でトータルリターン+21%以上の高い利回りが期待でき、数多の受賞歴もあります。
投資信託名 | 手数料 | 運用資産 |
---|---|---|
マネックス資産設計ファンド<育成型> | 購入手数料:0% 信託報酬:0.54% 信託財産留保額:0.3% 決算回数:年1回 |
国内外の6資産をそれぞれインデックス運用(国内株式・海外株式・国内債券・海外債券・国内REIT・海外REIT) |
マネックス・日本成長株ファンド | 購入手数料:0% 信託報酬:1.5876% 信託財産留保額:0.3% 決算回数:年1回 |
国内外の株式をアクティブ運用 |
積立による投信買付なら実質すべてノーロード
マネックス証券には、投信の積立購入時にかかった手数料が全額ポイントで還元される「ゼロ投信つみたて」プログラムがあります。購入時手数料が発生する300本以上の投資信託も、積立買付なら実質ノーロードで運用開始できますよ。
マネックス証券「ゼロ投信つみたて」の概要 | |
---|---|
プログラム内容 | 積立で購入した投資信託の申込手数料(税込)が全額キャッシュバックされる ※NISA口座での積立も対象 |
プログラム対象商品 | マネックス証券で積立可能な全投資信託 (外貨建てMMF・外国籍投資信託・ETFを除く) |
キャッシュバック時期・方法 | 月初から月末までの積立買付分(約定日ベース)を翌月の最終営業日までにマネックス証券の証券総合取引口座に入金される |
投信選びで迷ったらロボアド(2種類)がおすすめ
投資信託のような分散投資は、価格下落リスクを極限まで減らせるのがメリットです。
その一方で「投信銘柄ごとに運用資金をどのくらいの比率で投じるのか(資産ポートフォリオ作成)」という判断が困難です。投資経験のない初心者だと、この段階でつまづいてしまうことも珍しくありません。
こんなとき、マネックスならロボアドバイザーに運用診断してもらうことが出来ますよ。ロボアドには2種類のタイプがあり、運用は自分で手配する「マネックスアドバイザー」・実際の売買注文まで任せられる「マネラップ」のいずれかが選べます。
マネックス証券のロボアドバイザー | ||
---|---|---|
サービス名称 | マネックスアドバイザー | マネラップ |
タイプ | 提案型 (最終的な投資判断は投資家がする) |
投資一任型 (投資家に代わって運用までやってくれる) |
運用商品 | 国内ETF※(円建て) | 国内外ETF※ |
毎月の最低積立額 | 1万円から 最低運用額…5万円 |
1,000円から 最低運用額…1,000円 |
手数料 | 年率0.487% | 年率0.991%未満(運用方針&資産により異なる) |
※ETF=上場投資信託
マネラップであれば、投資顧問として「マネックス・セゾン・バンガード(バンガードグループ)」が日々資産をモニタリングしてくれます。ロボだけではなく専門家のサポートも得たい人におすすめします。
いずれのサービスも、最低運用額はロボアド業界でトップクラスの安さです。他社だと10万円以上の初期投資が必要になることが多く、バンガード系のような有名企業が投資顧問を務める場合なら、200万円以上の元手がかかることもめずらしくありません。
マネックスなら、貯蓄額に自信がなくても気軽に専門家のサポートを受けられます。
マネックス証券の手数料
マネックス証券での株式取引手数料はやや割高です。
50万円以下の国内株取引(現物)なら、主要オンライン証券と比べて10円~200円割高です。1日定額コースで50万円以内/日の約定があった場合でも、他社なら0円~1,000円であるのに対し、松井証券なら2,500円かかってしまいます。
NISA口座は海外株手数料も無料
マネックス証券の最大のメリットは、NISA口座で国内外株の売買手数料(現物)が無料になることです。国内株が手数料無料になる証券会社は多数ありますが、海外株まで無料で取引できるのはマネックスにしかない特長です。
NISA口座の非課税枠をムダにすることなく、利回りのよい海外株も運用しながら資産形成できますよ。
米国株式取引の手数料
マネックス証券は、米国株の手数料が業界最安水準であることも特徴です。手数料には最低額と上限額が定められており、約44,000ドル(日本円換算で約460万円)以上の約定なら、手数料が20ドルで固定されます。
1取引あたり約定代金の0.45%(5〜20USDの範囲内)
国内株式取引(現物&信用)の手数料
国内株式取引手数料は「取引毎手数料」「一日定額手数料」の2つのコースから選択できます。現物取引と信用取引で違いがありますが、どちらも100万円以下の少額の投資について、他の証券会社よりも安く、始めやすい手数料になっています。
■現物取引の手数料
1注文の約定代金 | 手数料 |
10万円まで | 100円 |
20万円まで | 180円 |
30万円まで | 250円 |
40万円まで | 350円 |
50万円まで | 450円 |
100万円まで | (成行注文)1,000円
(指値注文)1,500円 |
100万円超 | (成行注文)約定金額の0.10%
(指値注文)約定金額の0.15% |
■信用取引の手数料
1注文の約定代金 | 手数料 |
10万円まで | 95円 |
20万円まで | 140円 |
50万円まで | 190円 |
100万円まで | 355円 |
150万円まで | 600円 |
200万円まで | 800円 |
200万円超 | 一律 1,000円 |
■一日定額手数料
マネックス証券には、一日の現物取引と信用取引の合計の取引金額で手数料が決まる、一日定額手数料コースがあります。デイトレや売却前提の株保有を検討している場合、定額コースの利用をおすすめします。
1日の約定金額300万円ごと | 何回取引しても2,500円
月間利用ボックス数21回目からは2,250円 月間利用ボックス数121回目からは1,650円 ※取引金額300万円ごとの売買を「ボックス」という単位で呼びます。 |
iDeCo(個人型確定拠出年金)を最低費用で運用できる
マネックス証券のiDeCoなら、必要最低限のコスト(初期費用2,777円+月額167円)で運用可能です。証券会社に対する運営管理手数料は発生せず、実質利回りの向上が期待できます。
同様に最低費用でiDeCoの運用維持ができるネット証券は、ほかに3社(松井証券/SBI証券/楽天証券)しかありません。マネックス証券ならではの得難いメリットです。
マネックス証券の良い評判(メリット)
利用者からは「ツールが使いやすい」という良い評判が目立ちます。マネックスが海外企業を買収したことで使えるようになった「トレードステーション」は、大量の情報を見やすく整理して扱えることで人気があります。
また、IPOが完全平等抽選制であることも好評を博しています。主要オンライン証券に比べて当たりやすく、短期間でまとまった利益を上げたい投資家に人気です。
SBIのが圧倒的に手数料が安いけどマネックスのツールは板の更新が早くて色々使いやすいんだよなあ。スマホで板見てどうすんだってのもあるけど。
— Yuki (@yuki323) July 26, 2016
SBIとマネックスと松井を以前から使ってます。
個人的には慣れもあるがSBIが一番。ただIPOはマネックスの方が当たり易いかも?
詳しく知りません。— あとも (@momo3562) April 26, 2019
マネックス証券の悪い評判(デメリット)
一方で「まとまった金額になると手数料が高い」「初心者向けのテクニカル指標がスマホアプリで使えない」という指摘もあります。
手数料に関してはデイトレーダーの間で不評が目立ち、株の活発な取引には向かない証券会社であることがうかがい知れます。
マネックス証券の口座開設方法
マネックス証券の口座開設方法は、かんたん4STEPで完了します。本人確認書類(運転免許証やマイナンバー等)があれば3STEPで完了し、最短翌営業日から取引が開始できます。
STEP1 : ウェブサイトから申し込み
STEP2 : 口座開設書類を受け取り
STEP3 : 本人確認書類と一緒に返送
STEP4 : 「口座開設通知」を受け取って、ログイン
本人確認書類が手元にあれば、ウェブサイトで申し込む際にウェブサイトにアップロードできるので、STEP2とSTEP3を同時に完了でき、申込書類の受け取りにかかる郵送時間を短縮できます。
まとめ
マネックス証券は、外資系の証券会社を買収した経歴があることから「国内市場をほぼ網羅している+外国株式に強い」という点に強みを持つ会社です。
投資信託やNISA口座の開設を検討している人にも、次のようなメリットがありますよ。
【マネックス証券のメリット】
- 投信の取扱いはノーロードファンド中心
- マネックスでしか買えない投資信託がある
- 積立投信は実質すべてノーロード(購入時手数料の全額がキャッシュバックされる)
- ロボアドは2種類から選べる(アドバイス型or投資一任型)
- NISA口座は外国株式の手数料も無料になる
一方で、株式の売買手数料については割高です。活発な取引で小さな利益を積むデイトレードには向かず、少額投資か売却予定のない運用向けと言えるでしょう。
「とりあえず定期預金より効率のいい運用をしたい」という人のメイン口座として・株トレーダーの資産形成用サブ口座としておすすめできます。
コメント