メガバンクグループのみずほ証券は、富裕層向けの投資信託である「ファンドラップ」において国内預かり残高の約3割を占める最大手企業です。少額からNISA口座で取引できる投資信託も、プロが厳選した優秀なファンドが揃っています。
全国に262拠点に店舗があり、近年では対面取引だけでなくネット取引も拡充していますよ。
情報力・取引チャネルと入出金方法の豊富さに優れたみずほ銀行の特徴について、メリット&デメリットも含め徹底解説します。
参考:日本投資顧問業界統計資料
みずほ証券の特徴
みずほ証券は、銀行・信託銀行と一体運営を推進するの大手証券会社です。
口座保有者向けの投資に関する情報(国内株式市況など)の多さが強みで、みずほ証券の口座を持っていれば精緻なレポートを数多く読むことが出来ます。
また、これらのレポートを書いているアナリストの質が高いことでも知られています。日経ヴェリタス等が発表する機関投資家の投票で決まる株式アナリストランキングにおいて、2018年に会社別で2位、業種部門別で多数のみずほ証券のアナリストが1位を獲得しました。その一部が無料で読めるため、知識を深めたい人ならぜひ口座開設しておきたい証券会社です。
みずほ証券の取扱い商品 | |
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商品の種類 | 取扱い銘柄数・本数 |
国内株式
(現物/制度信用取引/IPO/立会外分売) |
東証1・2部 東証マザーズ 東証JASDAQ ETF・ETN・不動産REIT くりっく365株 |
外国株式 | 米国株(NYSE・ナスダックより120銘柄)
中国株(20銘柄) 欧州株(英国・ドイツ・フランス) 外国株預託証券(DR) |
投資信託
※ファンドラップあり/運用額500万円~ |
393件
(うちノーロード163本) MRF・外貨建MMF |
債券 | 国内債券・個人向け国債
外国債(米国・ドイツ・オーストラリア) |
FX | 29ペア(うち対円取引は17ペア)
レバレッジ最大25倍/最低注文数1万通貨全ペア売買手数料無料 |
その他商品 | 変額年金保険・定額年金保険・終身保険 |
特にヨーロッパ(イギリス、ドイツ、フランス)の株式が売買できるのは、インターネット証券には無い特徵です。株や債券などの歴史ある金融資産の取扱いがメインですが、近年ではデリバティブ取引の一種であるFXにも力を入れています。
取扱い投資信託数
みずほ証券の投資信託は約400種類の取扱いのうち、約300種類はネット取引に対応しています。取扱い投信のメインは、先進国を投資先とする高利回り投信・堅実な国内インデックス型投信の2種類です。
ファンドラップの助言経験が投資信託の取扱い方針にも生かされており、プロが常に販売商品の品質をチェックしているのも特徴です。「口座保有者の運用ニーズにそぐわない」と判断した投資信託は迷いなく販売停止しており、より実績と運用コンセプトの優れた投資信託を順次入れ替えています。
つみたて投信は厳選されたインデックスファンドのみ
積立投資ができる投資信託は、低コストかつ長期投資に向いているインデックスファンドを中心に163本取扱われています。一般NISA口座・つみたてNISA口座では、厳選された以下の3つの投資信託が購入できます。
積立買付できる投資信託のラインナップ
・たわらノーロード 日経225
・野村つみたて外国株投信
・たわらノーロード バランス(8資産均等型)
IPO主幹事数は業界第3位
最大手証券会社にしかない強みとして、IPO(新規公開株)の主幹事件数が業界トップクラスであることも挙げられます。IPO割当数=その証券会社で抽選に当たってIPO投資ができる人の数を示します。上場後に200%以上高騰することもある株式を購入し、短期利益を狙えるチャンスが広がりますよ。
みすほ証券の主幹事数【2017~2018】
2017年:主幹事数16件/業界3位
2018年:主幹事数24件/業界1位
入出金に利用できる提携ATM多数
メガバンクグループの証券会社として、提携ATMが多いこともメリットの一つです。全国展開している支店数の多い主要銀行・コンビニATMからでも、みずほ証券カードがあればすぐ入出金操作・残高照会が出来ますよ。急にキャッシュが必要になった場合も安心です。
口座連携はみずほ銀行だけでなく、ゆうちょ銀行も対応しています。各金融機関に預金口座があれば、買付資金の入出金を行うための銀行口座を新たに用意する必要はありません。
みずほ銀行の提携ATM | ||||
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提携金融機関 | 入金 | 出金 | 残高照会 | 口座連携 |
みずほ銀行 | ○ | ○ | ○ | 自動振替
即時入金(預金口座→証券口座) |
ゆうちょ銀行 | ○ | ○ | ○ | 自動振替 |
三井住友銀行 | ○ | ○ | ○ | ― |
セブン銀行 | ○ | ○ | ○ | ― |
イオン銀行 | ○ | ○ | ○ | ― |
三菱UFJ銀行 | ○ | ○ | ― | |
りそな銀行 | ○ | ○ | ― | |
埼玉りそな銀行 | ○ | ○ | ― | |
SMBC信託銀行 | ○ | ○ | ― |
店頭での資産運用サポートが手厚い
みずほ銀行には投資の助言経験が豊富な専門家が多数在籍しており、国内262拠点の窓口で対面サポートを受けることが出来ます。突然まとまった資金ができて運用方法に悩んでいる人・投資に対して苦手意識を持っている人でも、気兼ねなく相談できますよ。
デメリット1:手数料が高い
手厚いサポートを維持するための対価は、取引手数料に現れています。ネット取引口座で国内現物株を売買する場合、約定代金100万円まで0.3402%(3,000円程度/最低手数料1,026円)です。これはネット証券の8~10倍近いコストにあたり、取引頻度の高いユーザーにとってデメリットです。
みずほ証券で株式取引をするなら、一日定額コース(3,780円~)も用意されています。株メインのトレーダーは積極的に活用しましょう。
デメリット2:2018年にシステム障害が発生した経歴あり
みずほ証券は2018年に大きなシステム障害を起こしており、約2日間株式取引ができなくなりました。この障害は人為的なミスが原因であったとして、その後改善に取り組んでいます。
参考:朝日新聞
再発防止には細心の注意が払われていると考えられますが、信用取引・証拠金取引をする場合に不安が残ります。
みずほ証券のメリット
みずほ証券は「投資情報の質が高い」「IPO主幹事数が多い」等、国内株式取引をする投資家にとって、メリットのあるサービスが展開されています。取扱い投資信託に対しても、ファンドラップ運営経験に基づく厳しい選定が行われていることがうかがい知れます。
投資そのものに不安を感じている人が深い信頼を寄せられるのは、みずほ証券ならではのメリットです。
みずほ証券のデメリット
一方で「システム障害歴がある」「手数料が高い」といった、メインの証券口座として利用するには不安が残る要素もあります。
よく利用する口座には手数料&システムの安定性の高いネット証券を選び、みずほ銀行口座は情報入手経路のひとつとして使ってもよいでしょう。
おすすめの証券会社は、こちらの記事でも紹介しています→
みずほ証券の口座開設方法
みずほ証券には、ネット取引専用で手数料の安い「ダイレクトコース」と対面サポートが受けられる「3サポートコース」があり、それぞれの口座開設方法は異なります。
ダイレクトコース
STEP1 : ウェブサイトから申し込み
STEP2 : 口座開設書類を受け取り
STEP3 : 本人確認書類と一緒に返送
STEP4 : 「口座開設通知」を受け取って、ログイン
3サポートコース
STEP1 : 近くのみずほ証券店舗へ
STEP2 : 口座開設書類を記入し、必要書類を提出
STEP3 : 「口座開設通知」を受け取って、ログイン
店舗の持つ大手証券ならではですが、インターネットのダイレクト口座よりも、3サポートコースの方が早く口座開設が完了します。
まとめ
みずほ証券は「市況情報に関する質と量」「投資信託に対する厳しい選定眼」に強みをもつ最大手証券会社です。IPO主幹事数も多く、抽選の当選率にも期待できますよ。
入出金方法も豊富で、全国展開の主要銀行から入出金・振替ができるのも魅力的です。
手数料がやや高くシステム面では不安の残る時期ですが、証券会社に信頼感を求める人におすすめできます。
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